プラセンタの医学

● プラセンタは若返りと美肌の秘薬、ホルモンではなくホルモン調整

プラセンタ注射は 「若返りの秘薬」として、美容はもちろん、健康の回復や維持に最近注目されている治療です。プラセンタ注射液はヒト胎盤のエキスで、日本では50年も前から更年期障害や乳汁分泌不全、肝機能障害の治療に使われています。
歴史的には 胎盤から作った生薬はマリーアントワネットや楊貴妃、クレオパトラも若さを保つために愛用していたと言われています。
プラセンタは多種のアミノ酸やビタミン・ミネラルの他、胎児を成長させるための各種の細胞増殖因子(HGF)を豊富に含み、特にそのHGFの働きで細胞を活性化し、新陳代謝や血行を促進して免疫力・自己治癒力を高めるため、肩こり・神経痛・筋肉痛・胃潰瘍・自律神経失調症・更年期障害・肌荒れなどに驚くべき効果を発揮し、最近は美白やアンチエイジング、アトピー性皮膚炎やアレルギーに対する効果も注目を浴びています。
なおプラセンタはホルモン剤ではありません。生体の中にいることでホルモン分泌を調整するものとされています。

● プラセンタの効能列記

美白、保湿、細胞の増殖再生、コラーゲンの生成、血行促進、抗酸化・抗炎症・抗アレルギー・免疫負賦活作用、アミノ酸補給、自律神経調整作用、内分泌調整作用、免疫賦活作用、基礎代謝向上作用、活性酸素除去作用、、創傷回復作用、精神安定作用、強肝・解毒作用、妊婦の乳汁分泌促進作用、体質改善作用、血行促進作用、造血作用、血圧調整作用、疲労回復作用、摂食障害改善作用。

● ニンニク注射(高濃度ビタミン注射)の配合ビタミンとその作用

ビタミンB1:糖質を分解しエネルギーにかえるのに役立つ働き。疲労を回復、脳や神経の調整、集中力も高めます。
ビタミンB2: 脂質や糖質の代謝を良くする。細胞の再生や成長を促進します。
ビタミンB6: たんぱく質の代謝をスムーズにし、免疫機能を正常に保ちます。
ビタミンC: コラーゲンの生成を促進し、メラニン色素の生成を抑えます。ウイルスや細菌に対して抵抗力を高める。
ビタミンB5:疲労を和らげ、代謝を向上させます。 ニコチン酸 (ビタミンB3) 皮膚や粘膜を正常に保ち、血行を良くする作用があります。

● ニンニク注射(高濃度ビタミン注射)の効能

 従来ビタミンの摂取は、1日必要最小摂取量を割らないようにすれば良いだけで、必要以上に摂取しても特に水溶性ビタミンは尿として排泄され、意味がないとされてきました。 しかし、アメリカのポーリング博士を筆頭にビタミンの大量摂取は、免疫力を高め、細胞を賦活化し生命力を向上させることが解明されてきました。
そのため 長期に渡りビタミン大量摂取が勧められますが、早期に実感できる効能は具体的には肉体疲労時の回復、風邪をひきにくい、目のショボショボ・肩こり・腰痛・睡眠障害などの改善などがあります。
最近のサプリメントブームの中、経口では一度消化器官を通してしまうとビタミンの有効性が半減されるなどの、デメリットも否定できません。また、ビタミンの中でも脂様性ビタミンは過剰摂取による体内蓄積による弊害が一部報告されているようなので注意して摂取することが望ましいようです。
さて美容クリニックで使用されるビタミンは通常水溶性を使用しているため安心して治療に臨んでいただけます。
ビタミン注射は ニンニク注射という名前で以前からスポーツ選手や芸能人の間で愛用されてきました。ニンニクと言ってもニンニクその物が入っている訳では無く、ニンニクを摂取した様な注射時のニオイで、そう呼ばれています。また、ニオイは本人にしか感じられず数分もすれば注射をした本人さえ気にならなくなります。

● 過去の新聞報道 1(肝障害)

平成17年1月の新聞報道で一部プラセンタ商品に関して新聞等で肝障害という内容の記事が掲載されましたが、製造メーカー側のコメントではプラセンタは肝障害の治療薬としても使用される薬剤であり過去にプラセンタで肝障害の報告はなく記事のような症例の因果関係は明確なものではないということです。
また、もともとこの患者様が長期内服されていた薬剤には抗生剤がありますが、こちらには明確に肝障害の副作用が記載されており、これらの因果関係についても指摘されています。

● 過去の新聞報道 2 (感染症のリスク)

平成18年8月の新聞報道で、厚生労働科学研究班(血液事業部会安全技術調査会)から「ヒト胎盤由来医薬品の使用者は献血を控えるように」と、通達が出され、それが新聞に掲載されました。 しかし、プラセンタの薬液は製造過程で、胎盤の個々において核酸増幅検査(NAT)を施行し、B型・C型肝炎ウイルス、エイズウイルスが存在しないことを確認した胎盤のみを原料としております。 また日本赤十字社の感染症対策(狂牛病、クロイツフェルト・ヤコブ病等)に準じて胎盤を選択しています。 更に製造過程で121℃30分間の高圧蒸気滅菌を行い、ウイルス・細菌を死滅させる対策がとられており、加えて塩酸を使った高熱・加水分解を行っており、これでホルモンおよび蛋白質は分解されているのです。 ですからプラセンタ注射は日本で40年以上の歴史がありますが、この治療による細菌感染、ウイルス感染、狂牛病、クロイツフェルト・ヤコブ病の発症の報告は全くありません。
ただ出来上がった製品に対してヤコブ病などの検査方法がないこともあり、現状では感染症のリスクは全くゼロと断言できないことになっています。

● プラセンタ・生物製剤への法制化、厚労省への報告

近年、生物製剤においては、その効果も大きく品質が患者に与える影響も大きいことから、平成15年7月30日より、改正された「薬事法」と「安全な血液製剤の安定供給の確保に関する法律」が施行されました。
このなかで生物由来製品及び特定生物由来製品が指定され、生物由来原料基準が制定されています。また、製品に由来すると疑われる副作用・感染症等が発生した場合、直接、厚生労働省に報告することが法制化されました。
これで使用した原料について、きちんと記録を残しておくことが義務づけられ、逆のぼって確認できることも可能になったわけです。これで更に一層注意深く見守られるようになりました。